ポケットモンスター、レベル上げ

「これから新入り用の儀式を執り行う」
唐突にイワークがそう話し出した。
「儀式?」
今まで野生でしか育ってこなかったカモネギは何がなにやら分からない様子でそう尋ねた。
「まあ、レベル上げってやつだ」
「お前さんは今は弱いから、俺たちがフォローしながら、経験を積ませてやろうって言う事よ」
イワークの言葉をゴースが引き取る。
「さて、じゃあ、始めるとするか。戦闘開始だ」

儀式は至極簡単で、カモネギが先頭に立ち、すぐに別のポケモンと交代する。
これだけでカモネギにも経験値が入り、カモネギのレベルアップに貢献すると言う感じであった。
新入りのカモネギには諸先輩方に悪いと言う気持ちはあるが、
それ以外には殆どリスクが無いので、とても助かる儀式であった。

そんな感じの儀式は連戦で繰り広げられていた。

先頭に立っていたゴースは連戦の為に倒れ、
変わりに立ったナゾノクサも酷いダメージを受けている事は間違いなかった。
しかし、儀式は続く……。

出てきたのは野生のニョロモ。
カモネギはナゾノクサにタッチ。
有利な敵だと言えども、疲労困憊状態ではどうしようもなく、倒れるナゾノクサ。
「やはり、無理があったか……」
と、イシツブテは言い放ち、一人でニョロモの所へと向かっていった。
「あの野郎……」
とイワークが呟き、カモネギに向かって言った。
「俺たち岩ポケモンはな、水が苦手なのよ。もしかすると最悪の事態になるかもしれん。 まあ、俺で何とか食い止めて見せるし、もし、お前さんに回ってきても大丈夫なようにはする。 なんたって、お前さんの為の儀式だからな」
と言って、倒れたイシツブテの代わりに戦闘へと向かったのだった……。

「僕の為の儀式……」
その言葉を心にしっかりと刻んだ、カモネギであったが、同時に
「だったら、何で"がくしゅうそうち"を持ってる必要があるんだろう」
と、些か矛盾した感じを受けるのであった。

あとがき:ポケモンレベル上げのお話です。
僕が学習装置をもっているのにも関わらずこんな風にレベル上げしてたので、 ポケモンの立場だったらどうだろうかとか言う感じで適当に書いてみました。
まあ、かなりメンバーとか適当ですけどね(w
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