世界樹の迷宮(B1F)

ヤモン:メディック(主人公)
マリア:アルケミスト
シズク:パラディン
ローラ:レンジャー
クッキー:ダークハンター
ヨン:バード
サンディ:ソードマン

「もー、飽きた!」サンディはひっかきモグラに止めを刺し叫ぶ。
「まあ、そう言うなよ。あと丈夫な木片3つで完了だからさ」僕がなだめる。
「昨日もそう言って伐採で苦ヨモギしか出なかったのではありませんでしたか?」マリアが毒づく。
そう、僕たちは何日B1Fを潜ってるのだろう?
そもそもはシリカ商店からの「ハンドアックスを作る為に硬質の殻5つと丈夫な木片5つを手に入れてきて欲しい」と言う依頼であった。
はさみカブトをマリアの魔法でなぎ倒し、硬質の殻はあっという間に5つ揃ったので楽勝な依頼だと浮かれていたのであるが、問題は丈夫な木片であった。
伐採が1日2回でき、B1Fには2か所の伐採ポイントがあるから4回かな?と思っていたのだが、
実際は場所に関係なく伐採は2回が上限と言う事で、何とか3日で丈夫な木片を3本手に入れ1日1本ペースと思っていたのだが、今日の伐採では見事に苦ヨモギ2つと言う体たらく。
しかも、ルール(※1)により丈夫な木片が1本使えないと言う事実が発覚……。
これで、女性陣の不満が爆発したのでありました。

「だいたい、ハーレム目的で女性だらけのパーティにしておいて、宿にも泊まらせないと言うのはどう言う事ですかねえ?」とクッキーが言うと、
「は、ハーレム?そんなはしたない事を!」とシズクが僕をにらむ。
シズクはまだ僕に文句を言っているがあえて無視する事にする。
しかし、僕も如何せん飽きては来ている、1日ずっと森ネズミ、シンリンチョウ、ひっかきモグラ、はさみカブトを狩りつつ、午前0時に伐採開始、
これをもう4日も続けているのだ飽きないはずがない。
本来ならB2Fを探索しそこに伐採ポイントを見つけるか、探索しつつ1日を過ごせばいいのだが、
冒険初期でひっかきモグラで全滅、毒吹きアゲハで全滅と痛い思いをしていて、B1Fで出来る事を全てやって、万全になってからB2Fに向かおうとリーダーの僕は決意したのであった。
臆病と言われればそれまでだが、彼女たちが一人一人倒れてゆくのを見るのはもう嫌なのである。

と言うモノローグの間にも、彼女たちの愚痴は尽きる事なく、 「冒険者の酒場でゆっくり休んでる、ヨンやローラが羨ましいねえ」とクッキーが睨んでくるのであった。
と、その時ある事を思いついた。
「1回外に出てパーティ編成を替えよう」と僕が言うと、 あわててクッキーが「いや、い、今のは冗談で……、私、まだ私……」と若干涙目になりながら訴えかけてくる。
「い、いや、そうじゃなくて、確かローラも伐採出来たはずだから、ローラを入れれば早く終わるんじゃないかと」とクッキーの見つめてくる目をそらしながらしどろもどろに答える。
クッキーはあわてて「……なんだ、そう言う事ですの。じゃあ私は休ませてもらいます」と言うのであった。

さて、一度地上に戻り、何故か怒ったように自分の部屋へと戻ったクッキーに代わってローラを呼び出す。
「と言う事なんだけど……」ローラに説明。
「なるほどね。平均的にポイントを割り振った(※2)のも悪い事ばっかりじゃなかったと言う事か。OK早速手伝うよ、今日はもう幾分も時間がない」
と、荷物を準備しダンジョンへと潜り直す。

日も変わろうかと言う頃にようやく目的の伐採ポイントにたどり着き、伐採開始。
……苦ヨモギ……朱色の木の実。
「うーん、上手くいかないもんだね」申し訳なさそうにローラが言う。
「まあ、あと少しで日が変わる、そしたらまたできるから……」とフォロー。
そして、午前0時。再び伐採開始。
……苦ヨモギ……苦ヨモギ……朱色の木の実…………丈夫な木片。
「やったー、1つ前進!」サンディは無邪気に喜ぶ。
「まだ、2本も残っていますわ」マリアはやれやれと言う感じだが、その顔には安堵の表情が見受けられる。
「とりあえずは面目躍如だな」ローラがほっと腰を下ろし
「クッキーさんと、ヨンさんにも伝えて差し上げませんとね」シズクが労う。
「そうだな。とりあえず地上に戻ろう、今日は久々に宿屋で祝杯だ!」
この先数々の困難が待ち受けている事だろう、しかし、この面子ならそれも乗り越えられる、そう感じた僕であった。

女性陣「ハーレムは禁止ね!」
(……前言撤回)

※1)自分ルール3:アイテムはなるべく1つ残す。
※2)自分ルール2:レベルが上がったら平均的にスキルを上げてゆく。





後書き
例によって言い訳。

と言う事で、世界樹の迷宮をやっていたら書きたくなったお話を書いてみたり。
文才ないのに文章書いたからもう大変。
いつも通り推敲もせずに赴くままに書いたのでありました。
後半はどう纏めればいいか分からずに投げやり感が半端ない。
あと、ちょっと、女性キャラ多すぎで、僕にはかき分けできないなあとか。
クッキーとシズクはなんとなく決まった感じがあるけど、後はぼんやり。
ヨンに至っては出てきてすらいないし。
口調もそれぞれちゃんとそろえるの大変そうだし、オリジナル創作する人って天才ですよね。
アレだ。こんな縛りをしている自分が悪いんだけど、それに付き合わされるキャラクターも大変だなあとか。
そんな感じで作った次第であります。
まあ、ここを見つけちゃった人はそっとしておいて欲しいと言う感じで一つ。よろしくです。
この先何か琴線に触れたら書くつもりではいるけど、こんな感じなので適当です。

SS部屋に戻る